昔からアリが好きだ。最近は輸入された獰猛なアリもいるが、可愛いロボットのような形、何時も懸命に生きようと動いている(いかにも休んでいるような様子を見たことがない)一途さが可愛い。 アリについては二つ思うことがある。

子供の頃、砂糖をまいてアリを集め、土を入れた透明な容器に入れて、アリが巣をつくり一つの社会を作るの見て楽しんだ。アリは、その箱庭社会の外から何か巨大なものがジロッと見ていると感じた(?)のではないだろうか。無限大の神は地球という容器のなかで人間がゴチャゴチャやっていることを見て、楽しんでいるのだろうか、悲しんでいるのだろうか、こういうものを造ってシマッタと思っておられるのだろうか。1945年に原爆が投下されたとき、容器の中でピカッと光るものを2回見て、これは困ったものだ、人間に与えた能力はどういう方向に行くのだろうと思われた。神が今ジロッと人類の動きを見ているのは間違いない。

可愛い類のアリの大きさはざっといって身長1cm位である。私の身長は170センチでアリの大きさの140倍位ある。私がアリだと本物の私はランドマークタワー位に高くそびえて見えるだろう。夏になると我が家の庭にも、舞岡公園にも無数のアリが出現する。アリを避けて歩こうとしたら庭も歩けないし舞岡公園での写真撮影もできない。恐らく私は巨大な高さと重さで一日数十又は数百のアリを踏みつぶしている可能性がある。何かの理由でアリ一匹が部屋の中にいることがある。丁寧に手のひらに載せて外に返すようにしている。供養のほんの一端である。恐らくアリは踏み潰されても仕方がないように無数に生まれるように造られているようだ。2004年12月のスマトラ島沖の地震、津波で20万以上の人が死んだ。人類も、かなり死んでも仕方ないのだろうか。

2007年11月


 
Copyright©2007 Takeshi Nakajima