通常「縦」の字が先に来て「横縦比」とは余り言わない。どうでもいいことかもしれないが、人間は何でも高く高くと、上下にあこがれ、横幅は余り気にしないということかな。小生の写真にとっては、この比率はかなり重要なこととなっている。人間を含む殆どの動物の目は左右に(上下でなくて)並んで遠近距離が把握でき立体感を得るようになっている。前々回の「ぼけ」の話で、どうせ瞬間には一点しか脳が画像として捉えていないわけだから、縦横比なんてどうでもよいのではないかとも考えられる。しかし通常ぼやっと見えている情景は縦長でなくて横長であるはずだ。小生は画像を縦210mm × 横297mmのA4版の横長で撮影し、保存し、展示することを大原則としていて(拡大すればA3,A2…などとなる)、縦長の画像は皆無に近い。テレビ画面、パソコンやデジカメのモニター画面、映画、掛け軸の絵、絵画、雑誌などの画像を見ると、それこそ千差万別で、縦横比をまともに議論しようとしている小生がおかしいのかもしれない。しかし、A4版の比率は別名「白銀比」といわれるようで、短い辺を1とすると長い辺は1.414…となるが、人間に自然な好感を抱かせる比率であるようだ。だから、小生が固執しているのもおかしくはない。一方、絵画などをやる人はよくご存知の「黄金比」なるものがある。これは短い辺を1とすると長い辺は1.618でA4版より少し横長(又は縦長)である。最も安定した美しい比率であるとも言われる。デジカメ画像プリントをやっている人は聞いたことあるかも知れないがA3ワイドのサイズはこれに非常に近い。以上、結論らしいものがないことを述べたが、小生は相変わらずA4版の比率で何千枚かある画像保存を続けて行く。「縦のものを横にもしない」(めんどうくさがって何もしないこと)ということわざがあるが、小生は「横のものを縦にもしない?」(面倒くさがらずになんでもする?)ということになる。どうしても縦長の画像にする必要が出た場合は、左右を切り詰めた画像にしますよ。

2009年7月




 
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