どんなことがあっても(例外はある)週一回は舞岡公園に行くようにしている。今年の酷暑の夏でも実行した。既に5年以上続いている。折角これだけの公園が数分のところにあるのだから、運動の為の散歩(結構起伏がある)そして写真撮影である。10万坪近いく大きな公園だが、里山、田んぼを中心とした自然愛護(死守?)の典型的な地味な公園である。派手な施設も無く、特別な花園があるわけでもなく、普通の人里近い自然である。鳥の観察では有名らしく季節になれば鳥のカメラマンで混雑する。植物、昆虫などの観察記録的な写真撮影をしている人はかなりいる。しかし、それとなく「美」の創造を意識し芸術的な(そのつもり)写真にしようと継続的に通っているカメラマンは小生以外にはいそうにない。この場所では普通の人が散歩していてデジカメのシャッターを押そうとする意欲に駆られるチャンスは殆どないであろう。
自分を振り返ってみるに、絵が好きである。手前味噌だが、小学校時の図画の時間で、いち速く課題画を完成し先生から他のモタモタしている友人を手伝えと言われた。ある課題のポスターの県大会に学校を代表して出展し(確か)県知事賞をもらった。又、何となく自然や庭の草花に興味を持っていた(当時としては女々しいと思われたかも)。そして数十年間飛んで、サラリーマンになって、理科系でないがメカ、機械いじりが好きでカメラに興味を持った。ポケットマネーに余裕が出た段階でカメラを買い白黒写真をしばらくやり、恐らく当時世界最高水準のコダック社のコダクローム・スライドフィルムで撮影し、色彩を含めた再現性に驚嘆しカラー写真をはじめた。米国在住時、隣の写真画像処理プロと友達になってべったり行動し、同時にNYI(ニューヨーク・インスティテュート・オブ・フォトグラフィ)の通信教育で勉強した。自然又は街の風景を、被写体の造形美とコンポジションを重視しながら撮影した。コンポジション・バランスは本能的に身についたと思われる(大げさな!)(今では通常の意味でのコンポジションをあえて崩すことも)。でも、いま見てみると写真に感動というか、そういったものが少なかったと思える。キャノン・サークルに入会し、風景写真家の第一人者、竹内敏信が審査する月例コンテストに応募し、4ケ月連続で約1200人中で30位前後に入ったことは励みになった。一方、日本のカメラ雑誌のグラビアで、人里近くと分かる群生する葦の中にヌードモデルを小さめにあしらって撮影した写真(確か緑川洋一かな?)を見て非常に感銘を受けた。どうも、自分は人がいなくても人の気配を感じる自然の場所が好きなようである。

2010年9月




 
Copyright©2007 Takeshi Nakajima