コンピューターデジタル処理技術により、カメラの物理的構造や(フィルムカメラ時代にはなかったと言える)カメラ内画像処理方法が猛烈な勢いで進化し、カメラの構造や性能のカタログスペックの記述も変化している。
  「画素数」がカメラ性能判断基準の最上位スペックになっていると思われる。プロもアマチュアも、まず「画素数」を即席の判断基準として眺める。「解像度」を写真画質の最重要条件として見るからであろう。しかし、もっと具体的に言えば、「単に『総画素数』だけを論じているのでなく、『或る撮像素子面積当たりの画素数』を論じているのである」ことは、聡明なる写真愛好家には釈迦に説法かもしれない。   
  画素数対撮像素子面積の数値化を一考してみる価値はあるのではと考える。カタログスペックの撮像素子サイズと(有効)総画素数の記述に追加して、この両者の相互関係を数値で記述したら、何かと便利ではないかと思う。フィルムの時代と違い、撮像面積は千変万化しつつある。プロやアマチュアの誰もがもっとカメラの大小にかかわらず、画素数と撮像面積の関係を把握できる、きわめて常識的な当たり前の方法があると考える。
  小学生でもできる計算であるが、画素数/撮像素子面積及び撮像素子面積/画素数である。現在好評を博している代表的なデジカメのいくつかを選んで計算してみた。

カメラの名称 画素数
(万)
撮像素子面積
(mm²)
(A)
1mm²当たり
の画素数(万)
(B)
1万画素当たり
の面積(mm²)
ペンタックス645D 4000 44.0×33.0 2.754 0.363
ニコンD800 3630 35.9×24.0 4.213 0.237
ソニーα99 2430 35.8×23.9 2.840 0.352
キャノン5Dマーク3 2230 36.0×24.0 2.581 0.387
ペンタックスK-5 1628 23.7×15.7 4.375 0.229
ソニー NEX-5R 1610 23.5×15.6 4.392 0.228
パナソニック GH3 1605 17.3×13.1 7.137 0.140


さて、数値を並べたのは良いが、どう利用できるのか。先ず判断の入口として(A)は「解像度」に関係し、(B)はノイズ問題などの解決能力に関係すると、まず常識的に考えられる。カメラメーカーやカメラマン(プロもアマチュアも)にとって興味ないことなのだろうか?

2013年1月




 
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