簡単に「ツブツブ」ということにする。厳密に言えばツブツブはいろいろな形をしていることであろうと思う。今や上級デジカメの基本的撮像画質性能(主に感度との関係において)を表す要素として、画素数と対峙してきわめて重要な位置づけをされている。
 フィルム隆盛の時代でもノイズは重要な画質要素であった。普通は粒状性と言っていたと記憶している。フィルムでは光化学反応によって生ずるツブツブは、通常ISO値の増大に比例して目立ち始める不定型、不規則な微細なミミズみたいなもので、自然(非人口的)であるがために、ある程度のものは、人間も又自然の創造物であることからして、感性が認めていたものでもあった。自然人にとってはフィルムの粒状性は懐かしいということもあろう。小生の記憶が正しければ、意図的にフィルムの粒状性を偽造するデジカメがあったりする。
 ところがデジタル画像ではツブツブの形と並び方が人工的になり(おそらく)人間の目に不自然に見える程度が大きくなってしまったと思われる。しかし、ここで自然と不自然とはどういうことかと考えてしまう。不定形と思われるツブツブも限りなく細分化してデジタル数値で表現できるとも思う。頻繁に話題とされる問題であるからして、広くカメラマンに理解されやすいような科学的(デジタル)表現方法はないものかとも思う。単位面積あたりに存在するツブツブの大きさ、数、濃度、コントラスト・・・等を組み入れた方程式はできないだろうか? しかし、ツブツブも個々の人間(自然人)の感性によって感じ方が違う分野に入るであろうと思うと、こんなことを考えても無駄であろうか?

2013年2月




 
Copyright©2007 Takeshi Nakajima