この、どうということもない疑問について考えたことありますか? 写真関係の趣味と言っても多種多様であるが、小生の場合はカメラを使って撮影し作品をものにすることである。
 正直、小生のキッカケは不純なものであった。鮮明に残っている記憶によれば、約50年前の会社人間になったころ、高校、大学と途絶えていた画像制作への興味が再燃し始めた。小、中学校時代から絵に興味があったし、まんざらでもない才能らしきものがあったようにも思える。絵画の時間には先生から「おい、お前、もたもたしているあいつを手伝ってやれ」と先生の助手のようなことをやったことを覚えている。イラスト的なものにも興味があって、あるポスターの学校を通しての公募で県知事賞を受賞したことがある。水彩画から油絵に挑戦し始めて、あーだ、こーだと時間をかけて塗りたくっているうちに、意図する絵からずれていったりして、絵を描く興味が怪しくなってきた。面倒くさいとも思うようになっていた。
 さて、多忙なサラリーマンになって、どうやったらよいかと考えた。少々気が短く、ずつなし傾向があり、シャッターを押しさえすれば作品になると思い写真に目を付けた。当たり前ではあろうが、どんな創作活動も、マーマーの水準の作品を狙うとなると奥は深く結局は簡単ではない。そして第二の転機は、40年くらい前かな、コダクロームで撮影した京都の風景のスライド作品の驚くべき出来栄えであった。結果、写真の深みにはまって行くこととなった。
 フィルム写真からデジタル写真へ移り、色々な作業は簡便になるであろうと思っていた。しかし、デジタル写真もマーマーの水準の作品をものにするとなると、必要な知識量はフィルムの時代をしのぎ、一生の勉強ものとなっている。

2013年9月




 
Copyright©2007 Takeshi Nakajima