といっても「レンズのボケ」の話ではない。高齢者のボケである。
小生はある老人クラブ(最近はシニアクラブという)の会長を3年務めてきた。老人福祉法第13条に基づくれっきとした組織で創立50周年式典では天皇陛下が挨拶された。全国で約370万人の会員がいる。高齢者の親睦、健康維持、社会奉仕が主目的だが、急増する膨大な社会保障費に直面し、政府は、シニアクラブにも要介護者増大予防への益々の貢献を求めている。
高齢者のボケ防止や健康維持を目的として多種多様な趣味的な活動がある。当然、写真関係の活動もクラブによっては散見する。しかし世界最強のカメラ王国と世界最速の高齢化社会の組み合わせを考えたとき、シニアクラブに対する写真業界の働きかけが何か物足りないと感じる。
あまたある写真趣味の中で、「撮影して観る」形が最大とも思う。撮影に熱中しているときの体や頭の使い方は相当なものであるし、撮影に「出かける」ことだけでも健康増進法である。
カメラ誌の読者やフォトコン応募者に占める高齢者はすでに相当数になっているとは思うが、全国老人クラブ連合会などの高齢者団体にも写真業界がもっと積極的、具体的に写真趣味を宣伝し貢献する手はありそうではないだろうか?ことさら取りざたすることではないのだろうか?当然のことながらカメラ、写真産業の発展にも貢献するだろう。
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