「写真の真って何だ!?」がCAPA2010年10月号フォトモンに掲載されてから早や3年以上が過ぎた。先ず「写真」の「真」はどこへ行った、「光画」とすべき・・・とツベコベ申し上げたのだった。
 わずか3年後には、そんなことを言ってはいられない又は言っても意味がない、ことになったと思う。想像を絶するデジカメ及び画像処理ソフトの進化、多様化、高度化には目を見張るものがあり、絵筆を操り、感性に従って油絵、水彩画などを作品として仕上げるように、デジカメ画像も自由自在に縦横無尽に感性を働かせて作品としてものにできる可能性がますます増大している。
 我々が使っている言葉は時代とともに、その意味することが変化し、反対の意味になって使ってしまわれている単語もあるようだ。日本では「写真」という単語が相変わらず使われている。数十年後には「真」の意味などは忘却の彼方に去って、「写真」=「デジタル画像」という意味で使われていることだろう。
 今更もったいぶって、このことを取り上げる小生がおかしいのかもしれない。しかし、何か屁理屈を言いたくなる時代の変化である。画像芸術の新しい分野として何かが生まれつつあると思うのである。デジタル画像はコマーシャル・イラスト分野などではすでに当たり前のことだが、それとは別に、絵筆を使って絵画を仕上げるように、「従来の写真的」画像作品を、デジカメ又はパソコンなどでデジタル・ソフトツールを自由自在に操って、ものにすることがすでに始まっていると思う。フォトコン応募作品にもすでに紛れ込んでいると思う。そして絵画のような「写真的」デジタル画像がますます生み出されるであろうと思うのである。

2014年4月




 
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