小生は高齢者である。そしてこの年代の多くはフィルム写真も知っている。猛烈な勢いでデジカメが進化し100年以上年続いたフィルム写真は忘却の彼方に消えようとしている今、何か思うことがある。
 熱烈ファンや特殊目的ではフィルム写真も生きているが、今や、フィルムの時代とは言えまい。すでにフィルム・カメラを知らないプロ(失礼かな)やアマチュアカメラマンが続々と生まれているのではないだろうか。
 我々、高齢者カメラマンは今写真史に残る重大な転換期にいる。ずいぶんとお世話になったフィルムを追悼し、何かしなくていいのかなと思ったりする。比較歴史論(大げさ?)みたいな。
 人間は絶えず進化(良い方向なのかそうでないのか?)するように造られ、いろいろなものが絶えず変化する。最近のほんの一例としては、テレビはブラウン管から液晶に、照明は赤熱電球、蛍光灯からLEDに、車は、ガソリン車から、ハイブリッド・電気・水素に・・・。
 しかし、これらとは少々意味合いが違って、フィルム画像からデジタル画像への変化はあると思う。(もったいぶって)芸術表現の手段と同時に作者の感性にまで影響するようなものではないかと思ったりする。単純な利便性の進化に加えて、芸術性の変化なども見逃せないのでは?
 先ず単純に、フィルムよりデジタル時代の方が良いかという質問をプロ、アマにぶつけたら殆どYesとなるのだろう。もう少し突っ込んで、利便性、忙しさ、時間やお金の経済性、被写体とカメラマンの関係、画質と表現力、カメラや出版業界の変化・・・など詳しく比較をしたらどういう回答になるのだろうか。こんなことやるのは時間の無駄かな?

2014年12月




 
Copyright©2007 Takeshi Nakajima