最近、ロボット、人工知能の話題が後を絶たない。日本は、自動的に物作りをするロボットで世界に君臨してきたが、今や、もっと人間に近い頭脳を持って自律的に行動するロボットの話題が世界で賑わっている。そして、日本が先導するデジタルカメラ分野はどうなるのだろうか。
 ちょっと見ても、ホンダのアシモ、ソフトバンクのペッパー、ソニーのアイボ、ユニファのミーボ、自動運転車、至近ではシャープのロボホン、そしてチェス・将棋に続き最も難解な囲碁で人間を破った。単なる自動化でない、自立学習、思考、だけでなく感情まで持ち始めているという。ということは創造・創作(定義は難しいが)につながることになるとも思ったりする。ロボットによる絵画はすでに珍しくなく、ロボット執筆の小説で売れたものもあり、いずれはノーベル文学賞候補も!?という話題さえある。
 さてデジタルカメラとの関係を見ると、動画、静止画のデジカメ機能はロボットの目として根幹的なパーツとなっている。ロボットの目としてのデジカメ、そして写真作品撮影のツールとしてのデジカメのロボット化について予想、空想を巡らすのも楽しそうだ。
 今ある高級デジカメでも、フィルムカメラ時代には空想と思えたような便利機能がどんどん生まれ、当時の人が見れば、すでに未来型ロボットと言える姿になり始めている。
 色彩やホワイトバランス、明暗、コントラスト、シャッター速度、ピントと合せ、ボケ、収差・・・などでカメラマンが自分流に選択設定できる機能が急増しており、更には顔認識のような機能が進化しシーンセレクトやズーミングなどと組んで構図選定までロボット化・・・いろいろありそうである。デジカメがカメラマンの感性に影響された撮影条件設定の組合せを保存蓄積し学習してゆくことになる。
 カメラマンはただシャッターを押すだけで画像作品創出となると趣味として面白くないのかもしれない。囲碁などと違い、画像作品創造の感性に基づくデジカメ設定条件の組み合わせは、それこそ無限大だから、絶対に人間を超えるAIデジカメは生まれるはずがないと思う? でも、囲碁だって、一昔前は、「人間を超えるはずがないと」と言われていたのだが。
 AIデジカメの違った使い方として、すでに進化中のAIロボットにAIデジカメを持たせるか、人間のように動いて撮影するAIデジカメ専用ロボットも考えられる。気の遠くなるような事故処理に埋もれている福島第一原発では画像撮影ロボット開発は最優先課題となっている。一般デジカメ産業と相互に影響し合い進化する可能性もあるだろう。
 多忙な人気プロカメラマンがデジカメロボットを複数台もって、インターネットなどで遠隔操作をして複数の仕事を同時にこなすなんてことも?・・・想像、空想は際限がない。
 更に話は飛ぶが、RAW現像だって、もっとAI自動化が進むだろうとも思う。便利機能は続々と生まれているが、カメラマンの感性を蓄積できるRAW現像アプリなんて?
 4月14日の朝新聞に「進化するAIと共存するには、2045年には人類超える」という記事があった。一体全体デジカメ分野は2045年ごろどうなっているのだろうか?

2016年4月




 
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