ネット検索で「写真 画角」とやると、レンズ焦点距離関係などの解りやすいイラスト的例示等ふんだんに出てくる。少し違った側面から小生にはウヤムヤ感がある。
 望遠、マクロ、広角などのレンズは一通り経験した(つもりでいる)が、今は後期高齢者として質量、レンズなどからソニーのフルサイズα7r+ツアイス24−70mmF4を常用している。一介のアマチュアであり深遠な撮影経験を積んだとは到底威張れるわけではないが。よく言われる「フルサイズ 50mmに落ち着く」に近い心理的状態にあるかなとも思う。
 うまくまとめていると思う、あるホームページ内容の一端をお借りすると、
 「人間の眼は(構造的には)水平120°程度の画角を持ち35mm換算で12mmの超広角レンズと同等だと言える。人間の目は焦点距離だけで比較できるほど単純なものではない。一点を注視すると(超)望遠レンズ的だが、同時に、周辺も広角レンズ的に視野に入っている。脳が注目点を大きく印象づけ、それ以外をぼやかしているようだ。50mmを人間の目にもっとも近いとして「標準レンズ」とよく言われるが、感覚的には、50mmでは狭すぎるようにも思える」とある。
 又卑近な例だが、新聞を目の前に広げて記事を見るとき、ある瞬間々々は、ほんの一字か二字だけを鮮明に見ているのであり周囲はぼんやりしている。人間の脳の本来の観賞眼は注目点プラス何となく見えている周囲の範囲の組合せではなかろうか。小生レンズの24−50mmあたりが人間本能の標準的な画角かなと思ったりしている。
 あまたあるレンズの歪曲収差問題などや、鳥、スポーツ、レーシングカー、鉄道写真など望遠レンズがどうしても必要とされる被写体分野はさておいて考えてみる。
 望遠レンズでとらえた写真作品と同じ画面構成(比率)の作品を50mmレンズでものにするには、言うまでもなく、被写体にぐっと近づいて行って撮り、広角では、後ずさりして撮る。これらの作品を人間が見るとき、目の構造が変わるわけでなく、50mm前後の画角で眺める。そして、各々を比較すると一見似て見えるが、よく見れば、特にパースペクティブ(遠近感的臨場感というべきか)の違いがあるはずである。写真作品は全て二次元平面だが人間は3次元に生きている。3次元生物の人間の鑑賞眼の画角とはなんだろうと思ったりしている。

2016年7月




 
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